節約は何から始めたらいい?おすすめの節約アイデアをご紹介!
節約は何から始めたらいい?おすすめの節約アイデアをご紹介!

本コラムの前半では、1人暮らしや子どもがいる家庭など、世帯別の理想的な支出割合を解説しますので、それを参考にまずは自分の家計の問題点を把握しましょう。後半では、成功率の高いおすすめの節約アイデア、NG節約術を紹介します。ぜひ実践してみてください。

節約する前に、理想の支出割合を把握しよう【世帯別】

収入や支出には個人差がありますが、節約するうえで、まず理想の支出割合を把握することが大切です。ここでは、手取り収入から理想の支出割合を世帯別に紹介します。ぜひ、自分の家計に当てはめて参考にしてみてください。

1人暮らし(単身)世帯の支出割合

住居費27%
食費15%
日用品費3%
水道光熱費5%
通信費4%
保険料・医療費4%
貯蓄22%
その他(交際費・交通費など)20%

1人暮らし(単身)世帯の場合、ある程度自由にお金を使える場合が多いため、欲しいものを迷わず買ってしまったり、外食が多くなったりしがちです。しかし、そのままだと計画的な貯蓄は不可能になってしまいます。「欲しいものをある程度我慢する」「自炊を増やす」などの工夫をして理想の割合に近づけましょう。

夫婦2人世帯の支出割合

住居費25%
食費15%
日用品費2%
水道光熱費5%
通信費5%
保険料・医療費5%
貯蓄25%
その他(交際費・交通費など)18%

共働きの場合、財布を別にしている夫婦も多いですが、理想のバランスに近づけるためにはひとつにまとめるか、別々ではあるもののひとつとみなして管理していくのが効果的です。夫婦それぞれの節約したいところやお金をかけたいところをすり合わせ、同じ気持ちで節約することで、さまざまな無駄を減らせるでしょう。家計の状況を共有して協力し合うことで、貯蓄に回す金額を増やしやすくなります。

夫婦と子ども(3人)世帯の支出割合

「小学生以下の子ども」と「中学生以上の子ども」がいる場合に分け、夫婦と子どもの3人世帯における理想の支出割合を解説します。

子どもが小学生以下の場合

住居費22%
食費12%
日用品費4%
水道光熱費4%
通信費4%
保険料・医療費8%
貯蓄16%
その他(交際費・交通費など)20%
教育費10%

子どもが小さいうちは、育児のため夫婦のどちらかが仕事をセーブすることが多く、収入も少なくなりがちです。
また、おむつや育児グッズなどの日用品費がかさみ、保育園や幼稚園、習い事などの教育費も必要になるでしょう。リスクに備えて保険にもお金がかかります。そのような中でも、貯蓄額はできるだけ15%ほどを維持したいところです。

子どもが中学生以上の場合

住居費22%
食費18%
日用品費3%
水道光熱費6%
通信費5%
保険料・医療費6%
貯蓄8%
その他(交際費・交通費など)20%
教育費12%

子どもが中学生になると、塾代などの教育費や、「その他」の項目に含まれる子どもの小遣いが増加していきます。私立に進学すれば、さらに出費は増え、貯蓄に回せるお金が減ってしまうかもしれません。そんなときは、この理想の支出バランスに当てはめ、節約できる項目がないかを探して、できるだけ貯蓄にお金を回すようにしましょう。

固定費を節約する方法

家計の支出は大きく分けて、「固定費」と「変動費」に分けられます。
一度見直してみるだけで、効果が得やすいのは「固定費」の節約です。ここでは固定費の項目別におすすめの節約方法を紹介します。

(1)住居費

  • 賃貸の場合は、家賃交渉をしてみるか、安い物件へ引っ越す
  • 持ち家の場合は、住宅ローンの借り換えを検討する

(2)水道光熱費

  • 省エネ家電に買い替える
  • ガスや電気料金のプラン、または電力会社を見直す

(3)通信費

  • スマートフォンやインターネット回線の料金プランを見直す
  • 格安スマートフォン(SIM)に乗り換える
  • サブスクリプションサービスを見直す
  • 利用していない(利用頻度が低い)固定電話を解約する

(4)保険料

  • 生命保険や医療保険の契約内容を見直す(保障・補償内容が重複していないかなどをチェックする)
  • 任意加入の自動車保険のプラン、または保険会社を見直す
  • 固定費の節約は、月にどのくらい節約したいかの目標をあらかじめ設定しておくことがポイントです。

注意したい点として、過剰な節約は精神的に大きな負担になりえます。特に、引っ越しのように生活に大きな影響を及ぼすことを伴う節約方法については、家族全員の心身面にも配慮して決定しましょう。

変動費を節約する方法

「変動費」の節約術は、固定費と比べて、手軽にすぐ実践できる内容が多いでしょう。ここでは変動費の項目別に節約方法を紹介します。

(1)食費

  • 外食を減らし自炊する
  • マイボトル・弁当を持参し、自動販売機やコンビニの利用を控える

(2)日用品費

  • 必要なものだけまとめ買いをする
  • キャッシュレス支払いの活用でポイ活をする(ポイントを支払いに充当できる場合などは現金の支出を抑えられる)

(3)交際費

  • 飲み会・食事会への参加回数を減らす

(4)交通費

  • 徒歩や自転車で行けるところはなるべく電車や車を使わない
  • 各種割引サービスを利用する

固定費の節約ほど大きな効果はないものもあるかもしれませんが、日々の積み重ねが家計の改善につながるでしょう。毎日生活するうえでストレスにならない程度に実行するのがポイントです。

おすすめの節約アイデア5選

固定費・変動費の節約方法を紹介しましたが、ここでは、その中でも特に高い効果が期待できるものについて、具体的な節約アイデアを紹介します。どれも簡単に実行できるうえ、高い効果が期待できるものばかりなので、ぜひ試してみてください。

①【固定費】スマートフォン料金のプランを見直す

効率の良い節約術としておすすめなのが、固定費であるスマートフォン料金プランの見直しです。
たとえば、通話をあまりしないなら、通話に関するオプションを変更できるかもしれません。あるいはWi-Fi下での使用が多いなら、データ通信量(GB)を減らせる可能性があります。そのほか、必要のないサービスは解除できるでしょう。
もしプラン変更やサービスの見直しで月に2,000円節約できたら、年間24,000円もの節約になります。

また、格安スマートフォン(SIM)に乗り換えるのもひとつの手です。

携帯キャリア大手各社はプランのシミュレーションができるサービスも行っているので、自身の使用状況に応じてぜひ比較してみてはいかがでしょうか。

②【固定費】サブスクリプションサービスを見直す

毎月定額料金を支払い、サービスが受けられるシステムである「サブスクリプションサービス」の見直しも、効果を得やすい節約術です。
サブスクリプションサービスは多くが自動更新であるため、「もう利用していないのに月々料金を支払っている」というケースも考えられます。

たとえば、動画や音楽配信のサブスクリプションサービスについては、直近数カ月で実際に利用している頻度を数え、料金の元を取れているのかを検討しましょう。

③【固定費】保険を見直す

生命保険や医療保険は、加入して以来見直しを行っていないケースが多々あります。高額な保険料が家計を圧迫している可能性もあり、見直しにより節約も期待できるでしょう。

結婚や出産、子どもの独立など、ライフステージに合わせた保険の見直しは必須です。現況に応じて必要な保障・補償を見極め、他社のプランとの比較も忘れずに行いましょう。複数の保険に入っている場合、保障・補償内容が重複していることもあるので、細かな部分も確認してください。

④【変動費】「ポイ活」をする

毎日の食費や日用品費などの変動費を節約するのに効果的なのが「ポイ活」です。

近年、スーパーやドラッグストアのポイントカードや、クレジットカード、電子マネーなどは、購入した金額に応じたポイントが加算されるのが一般的です。貯まったポイントは、購入金額の割引や商品との交換などに活用でき、現金で支出するはずだったお金を節約できる場合があります。
また、手持ちのポイントを使いやすい種類のポイントに移行するなど、ポイントをまとめることができる場合もあります。

ポイントをうまく活用し使い分け、食費や日用品費などの購入に役立てましょう。

⑤【変動費】できるだけ自炊をする

毎日の出費を抑えるには、食費の節約は重要課題です。もし外食やテイクアウト、コンビニ弁当によく頼っている場合、自炊にすることで大きな節約効果が得られます。近年は、簡単な節約料理のレシピを公開している動画やブログも多数あり、参考にできるでしょう。

一方、自炊とはいえ、やり方次第であまり節約にならないこともあります。たとえば、無駄な食材を買って、使い切れずに腐らせてしまうことは避けたいものです。食材を安く、必要な量だけそろえることや、簡単でも良いので継続させることが成功のポイントです。

朝におすすめの節約術

ここからは時間帯別に取り組める節約術を紹介します。1日の始まりである朝は、節約生活をスイッチオンにしやすい時間帯です。朝にできるおすすめの節約術としては、次の2つが挙げられます。

新聞の購読をやめる

新聞は、朝刊のみの購読で3,000~4,000円、朝刊・夕刊セットの購読で4,000~5,000円かかるのが一般的です。購読をやめれば、年間4~5万円前後を節約できます。
インターネットが普及し、情報はスマートフォンでも入手できるようになり、チラシもアプリなどでチェックできるようになりました。購読している新聞をあまり読まずにそのままにしている方や、新聞がなくても生活に支障が出ない方は、購読をやめてみるのも1つの選択肢です。

家電のコンセントを抜いておく

コンセントに電源プラグを挿しっぱなしにしていると、待機電力がかかってしまいます。電源をオフにしていても待機電力がかかる製品もあるため、使わないレコーダーやパソコン、家電のプラグは、外出前に抜いておきましょう。

夜間に使わない場合は寝る前にコンセントを抜き、朝起きたら挿すよう習慣づけるのがおすすめです。年間を通してみると電気代をかなり節約できるため、毎日コツコツ積み重ねることが大切です。

昼におすすめの節約術

昼休憩に飲食店へランチに行く機会が多い方は、弁当を持参すれば食費を節約できます。ほかにも昼にできるおすすめの節約術として、通勤服にかけるお金を節約する方法があります。

通勤服は工夫して安く済ませる

通勤服は、デパートや価格が高いブランド店でシーズンごとに買い替えるとお金がかかります。通勤服とは別に休日などに着る服を購入すると、洋服代がさらにかかってしまいます。しかし、手持ちの服が多くてもすべてを着こなすのは難しいものです。

クローゼットにある服をきちんと管理して上手に着回し、服を買いすぎないことが洋服代を節約するポイントです。定番のアイテムを数点そろえ、着回すようにすれば、毎朝コーディネートに悩む必要がなくなり時間も短縮できます。比較的安価なファストファッションを上手く取り入れたり、セール品を購入したりして、安く済ませましょう。

夜におすすめの節約術

夜は、お風呂の入り方やスーパーでの買い物に節約できるポイントがあります。夜にできるおすすめの節約術を2つ紹介します。

お風呂の追い炊き回数を減らす

お風呂に入る時間帯が家族バラバラの場合は、追い炊きに電気代やガス代がかかります。なるべく間隔を空けずに入れるよう、お風呂は家族全員がそろう20時以降にするなどして、追い炊きの回数をできるだけ減らしましょう。お湯が冷めるのを防ぐため、浴槽にはフタをしたり保温シートを張ったりするのも効果的です。

空腹状態でスーパーに行かない

空腹状態でスーパーに行くと、無駄なものを買ってしまいがちです。おいしそうな匂いにつられて揚げ物を買ってしまった、すぐに食べられるスナック菓子やスイーツを買ってしまったという経験はありませんか?空腹時を避けてスーパーに行くことで、予定外のものをついつい買いすぎてしまうということを回避しやすくなり、無駄遣いを減らせます。

また、買い物へ行く前に買うものをリストアップしておき、必要なものとそうでないものを確認しながら買い物することも大切です。

NGな節約例5選

節約だと思って実行していることでも、実は逆効果になっていたり、思わぬ弊害を生んでいたりする場合もあります。ここでは、よくあるNGな節約例を5つ取りあげるので、日頃の習慣の見直しに役立ててください。

①スーパーのはしごをする

同じ商品でもスーパーによって値段に差があり、その日の特売品も異なります。そのため、少しでも安い商品や特売品を求めてスーパーをはしごすることが、節約につながっていると思っている人もいます。

しかし、時間や労力、場合によっては電車賃やガソリン代をかけて各店を回ることは、その分安く買えた金額に見合っているでしょうか。時間や労力、コストをかけることに見合うほどの節約ができるかを考えて買い物をしましょう。

②節約グッズばかり購入する

近年は100円ショップをはじめ、多くの節約グッズが登場しています。しかし、節約グッズをそろえれば家計の支出を確実に減らせるわけではありません。実際にどれだけ使用して、いくら節約できているのか費用対効果を考えてみましょう。買ったけどあまり使わなかった、あるいは質が悪くてすぐに使えなくなったのでは、浪費になってしまいます。

③ポイントを貯めるために買い物をする

ポイントが欲しいために「ポイント3倍」などのキャンペーンで、無駄な買い物をすることもNGな節約術のひとつです。確かにポイントが貯まることで後々お得に買い物できるかもしれません。必要なものをポイントキャンペーンに「合わせて」買うのはよいですが、必要ではないものをポイントキャンペーン「だから」買うのは本末転倒でしょう。

④特売品の大量購入をする

スーパーなどでの特売品を、思わず大量に購入してしまう人もいます。しかし、安いからといって大量購入することは、効果的な節約につながるとは言い難いでしょう。なぜなら、一品当たりの値引き金額は微々たる額であることがほとんどだからです。大量購入したものの保管場所に困ったり、使い切れなかったりすることもあります。無駄なお金を使わないために、特売品であっても必要な分だけ購入するようにしましょう。

⑤過剰な節約をする

節約を意識しすぎるあまり、過剰になることも避けたいところです。たとえば、電気代やガス代の節約のため家族に厳しく当たったり、交際費を削るためにせっかくの誘いを毎回断ったりするとどうでしょうか。あまりに倹約しすぎると、周りの人とぎくしゃくすることもあり、自分の精神面にも良くないでしょう。使うところと節約するところを明確にし、過剰になりすぎないことが大切です。

無理なく節約するコツとは

無理なく節約を行うには、いくつかのコツがあります。以下で紹介するポイントをおさえて、ストレスのない節約生活を始めましょう。

「安い」「セール」を理由に買わない

家計管理をしていると、どうしても「安い」「セール」といった言葉に惹かれがちです。安いから買うという動機では必要ないものまで買ってしまいがちで、結局浪費になってしまいます。

本当に必要な時に買う

本当に今必要なのかを考えることも大切です。いつか必要になるだろう、という理由で買わないようにしましょう。使う時まで適切に管理するにも手間がかかりますし、将来本当に使いたくなるとは限りません。

きちんと計画してから買う

計画性ある買い物もポイントです。服飾品や家電は、それを買った場合どのくらいの頻度・期間で使えるかを考えます。食料品や日用品は、買い物に行く曜日や買うものを決めておきます。そうすることで、つい何となく買ってしまう機会を減らせます。

無理のない目標を設定する

実現不可能な高い目標設定は、精神的にも大きな負担になり、節約が長続きしない要因となります。現実的な目標設定をして楽しみながら継続させることが、節約成功の秘訣です。

先取り貯蓄をする

自由に使えるお金を手元に残し過ぎないことで、節約の意識が高まることが期待できます。具体的には、「先取り貯蓄」をした後に、手元に残ったお金でやりくりができるように工夫してみましょう。

そもそも、何かに使うためのお金を貯めるために節約を心がける人も多いはずです。そのような場合は特に、節約の結果、残った分だけ貯蓄するのではなく、まず貯蓄する分を取り分けて、後に残ったお金で節約しながら生活するのが得策です。

なお、先取り貯蓄については、以下のコラムでも紹介しているので、参考にしてください。

よくある質問

さまざまな節約方法を紹介しましたが、最後に、節約に関してよくある質問とその回答を紹介します。

節約は何から始めるのがおすすめですか?

節約に取り組むにはまず、家計の支出を把握し、毎月何にいくら使っているのかを明らかにすることが大切です。理想の支出割合と見比べてみると、節約できる項目がわかります。家計簿を記す習慣をつけ、無理なく実行できる目標額を決めることから始めましょう。家計簿はスマートフォンアプリの簡単に記録できるタイプが便利です。

主婦・主夫におすすめの節約方法はありますか?

買い物は、買うものや予算、行く曜日を決めて、計画的に行いましょう。食材は特売日にまとめ買いして使わない分は冷凍保存する、冷蔵庫の在庫を把握しておく、大まかに献立を立ててから買い物に行く、というのがコツです。栄養のバランスに気をつけながら、リメイク料理やかさ増し料理を取り入れるのも食費の節約に有効です。

家の中のものを断捨離して買いすぎを防ぐ、フリマアプリを活用して衣料品などを売買する、ふるさと納税で食材や日用品を入手するなどの方法もおすすめです。

まとめ

高い効果が期待できるおすすめの節約方法は、固定費であるスマートフォン料金プランやサブスクリプションサービス、保険の見直しなどを行うことです。また、できるだけ外食を控え自炊し、ポイ活を行うことで変動費の節約も期待できます。
一方で、「安い」のを理由に購入したり、少しでも「安い」ものを求めてスーパーをはしごしたりするのは、NG節約例です。
また、過剰な節約は長続きしません。実現できる目標を立てて効果性の高い節約方法を実践して、上手に楽しく節約していきましょう。


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